『子午線の祀り』は残すところ5ステージとなりましたが、ここいらで、この作品における群読以外での神保の主な登場シーンの解説をば(ネタバレあるかも)。


・児玉党(第一幕)
一の谷の合戦で敗走する知盛達を追撃する一群の、大将(と覚しき者)。
昨年のリーディング公演でこの役割を務めており、その成り行きで今回の公演もやらせて頂いてます(昨年も成り行きで自分になったんですが)。
児玉党の登場から平家物語の世界に一気に突入するので、そういった意味では大事な役回りですかね。

・源氏勢(第二幕)
船戦さの訓練を一度もしていないことを心配する「いま一人の武士」。
これもリーディング公演に続きやらせて頂いてます。
ひと言のせりふですけど、この後で景時が義経と言い争う時にこの言葉が口論のネタに使われて慌ててます。

・軍評定(第三幕二場)
壇の浦の合戦で松浦の党を率いて船団第二陣の大将を受け持つ越中次郎兵衛盛嗣こと平盛嗣。
負けが込んでる平家にとって翌日の合戦で存亡が決するとあって、この評定は大将軍の知盛をはじめ全員が気合漲っており、演っていて高揚します。

・壇の浦の合戦(第四幕)
幕開けは盛嗣で第二陣に立っています。
義経の特徴を挙げ連ねて、こいつを倒せと侍たちを煽って士気を更に揚げます。要は外見の悪口なんですけどね。
この味方への煽り、三陣の知盛と景経に始まり先陣の景清へと右肩上がりに盛り上がって来て、最後に二陣の盛嗣に番がまわってくるので、自分のところで昂ぶりが頂点になるよう、全力です。

その後はいつの間にか平家の名も無き侍に変わり、と思っていたら源氏方の侍になって、またいつの間にか平家方になってと、合戦の間はあっち行ったりこっち行ったりしてます。

最後は宗盛を海に突き落とす平家の侍どものひとり。
味方が次々と入水している中でただ茫然としてる平家の宗主が余りに情けなくての行動ですが、海に入った後も沈まずに泳いでる宗盛を見てどう思ったんだろう、このひとたち。


てな感じでやらせて頂いてます。

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↑ 衣裳つきで稽古した日にピース。

さて、公演の終わりが見えてきましたが、実はこの段階に到っても細かいところで演出上の修正、変更が加えられています。
この一週間のうちにも群読の調子や動きなども改良されてます。
もっともっと作品を良くしたいという野村萬斎さんの果てなき野心はすごいです。

更なる進化を目指し、座組み一丸となって千穐楽まで駆け抜けます!