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先日、有楽町に映画を観に行った時にあった、秋田県雪まつりのPRの雪像。
この冬初めての雪だあ、なんてその時は思ったんですが。
今日こんな大雪になるとはね。
それでも頑張って稽古場へ行って稽古しましたよ。
偉いぞ、うちら。

さて、そんなわけで、寺山修司。
僕は寺山修司作品には、『身毒丸』('02)と『地球☆空洞説』('12)に出演しています。
どちらも寺山さんの戯曲を原作にして、新たに台本が書かれた作品でした。
てなわけで、今回が初めての寺山戯曲への出演。

で、実際演ってみると、やはり、言葉が、いいです。
たとえば、こういう台詞。

『連絡船の船底で……僕はさむいコートの襟をよせ乍ら、回収するというのはこんな恐ろしいものか、と思いましたよ。
たった一週間の、喉にこみあげてくるような幸福な愛のために、一生を棒に振って、何もかも失って、連絡船の底に荷物のように寝ころんでいる僕に。……あのとき、かもめがとても白く見えたなあ。』
(『白夜』より)

声に発すると、音の響きからイメージが立ち上がっていく気がする。
あと、お客さんは知る由もないけど、ト書きもいいんですよ。

ちなみに、寺山修司の演劇というと、おどろおどろしくてなんだかおっかない世界、というイメージを持たれている方もいると思います。

でも、この『白夜』という戯曲には、全くそういうところがなくて、前にも書きましたが、作風はむしろ短歌や詩の世界に近いかもしれない、叙情的な芝居です。

で、ウェブで検索してみると、短歌や詩やエッセイを通じて、つまり演劇ではない分野での寺山修司の若いファンって、いまもすごく多いんですよね。
だから、そういう人たちにも観てもらえたらな、と。

そんなことを思ったりしながら、寺山さんの言葉と日々格闘しています。