『身毒丸』を観てきました。
朝起きた時から楽しみで楽しみで、1時間早く劇場に着いてしまったくらいでした。

なぜかというと。

9年前の2002年に上演された『身毒丸』の出演者でした。
当時はニナガワカンパニーに入ってまだ2年目で、カンパニーメンバーが総出で参加するような舞台の時に出演させてもらえるような感じでした。
初めて個人としてキャスティングされたのが『身毒丸』でした。
再演作品への出演は初めて(稽古期間が短くて大変でした)。
地方公演も初めて。長丁場の公演も初めて(全国6都市で全65ステージでした)。
いろんなことが初めてづくしでした。

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また、自分にとってこの作品は、高校演劇部で芝居を始めたばかりの頃にテレビで藤原竜也くんの『身毒丸』ロンドン公演の密着ドキュメンタリーが放送されていて、それをビデオで観返しながら、「いつかこんな芝居に出られたらな」と何度となく夢想した芝居でした。
(ちなみに、今回の『身毒丸』出演者の茂手木桜子さんは、僕の出演した2002年の名古屋公演を観たのが蜷川さんの作品に出たいと思ったきっかけだったそうです。こうして繋がっていくんですね)

カンパニー自体も作品同様に素晴らしくて、全員がこの作品が好きで、参加していることを誇りに思っているのだといつも感じていました(もちろん自分も)。
2008年に再演された時は客席で観て、すごい作品に関わっていたんだなと改めて興奮しました。
だから、蜷川さんのところにいた時期の出演作を聞かれたら『身毒丸』を挙げています。ひとことの台詞もなかったのに。

その『身毒丸』が、今回は大竹しのぶさんの撫子で、演出も台本も変わったとのこと。
だからそういうわけで(前置きがすごく長くなりましたが)、とてもわくわくしながら客席についたのです。

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びっくりしました。懐かしいようでいて全く新しい『身毒丸』でした。
9年経ったとはいえ自分の身体に染み込んでいる言葉、音楽、演出の中に、新しい要素がぽつりぽつり入り始め、気づけば全くの別物になっていました。
「藁人形の呪い」のシーンの大竹さんの凄まじさに総毛立ち、全く異なるエンディングに呆気にとられました。
すごかった。面白かった。

終演後に楽屋にお邪魔して、これまでの『身毒丸』から続投しているスタッフ、キャストの皆さんにごあいさつしました。
大竹さんや六平直政さんにも久しぶりにお会いできました。
懐かしくてうれしくて、あの頃の自分に戻ったようでした。
この感覚は『身毒丸』だからこそ起こったんだと思います。

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今回の投稿、観劇の興奮冷めやらぬうちに書いたため分量、思い入れ共にたっぷり過ぎるものになりましたが、新しい刺激とノスタルジーをこんなにも強烈に、同時に受けることなんてそうそうあるもんじゃないですから、どうか目をつぶってやってくださいね。
クールダウンするために、これから、2002年の『身毒丸』のDVDを観ようと思います(逆効果かな 笑)。

そして、秋に出演する野外劇に向けての気合いが更に強まりました。ご期待下さい!