舞台

てがみ座『線のほとりに舞う花を』、全11ステージ終了しました!

ご来場下さった皆さま、ありがとうございました。
このような時期に劇場へ足を運んで下さるためには通常より沢山のエネルギーが要ったことと思います。
舞台に立つ身としては、そのエネルギーを丸ごと引き受けて、さらに力強いものをお渡しできればと思いながら日々の公演に臨んでいました。

高台

今回の作品は奇しくもいま我々が目の当たりにしている出来事とリンクしました。
そして、それでも生きる、前進するのだ、という意思、力、優しさ、温かさを表すのにぴったりなカンパニーでした。
この全員で作り上げた、という感触が強く、愛着の強い作品になりました。
この座組の一員となれたことを誇りに思います。

歌練習

と、お行儀の良いことばっかし書くのもナンですので、ちょっとぶっちゃけると。

とにかく歌がタイヘンでした!
今回、僕の出演は直前になって決まったのですが、おそらく歌唱力の問題で、声をかけるかどうしようか迷っていたからではないかと思ってます。何しろ役者としてはほとんど歌ったことがないのですよ、私は。

セッション

今回は、全曲アカペラで、歌に入る前にグロッケンで最初の音を弾く以外は、楽器はパーカッションのリズムのみ。
しかも4つのパートに分かれて歌わなければならない。
僕はバスを歌っていましたが、そもそもそんなに地声が低いわけでもないので、音が外れてることは分かるんだけど(分からない時も多々ありましたが)その音が出せない、なんて状況によく陥っていて、低音を出すということがまず課題でした。
気付けば、稽古初期よりはだいぶ低い声が出るようになってました!

楽屋

歌であまり戦力になれないんだったら、せめて芝居でちゃんとやらねばと思ってたんですが、演技のアプローチというかスタイルというか、これまでやったことのないものを要求され、難儀していました。
でも、稽古、本番を通して、自分の中での新しいやり方が少し見えた気がします。

そんな、挑戦ばっかの作品でした、今回は。

てなわけで、いろんな写真を一挙アップ!

龍田さん
歌の確認
舞ちゃん卒業
箱田さんバースデイ
楽屋にて
墓標
開演前

今回は、演劇の力、音楽の力、身体の力といった原初的なもののパワーや魅力を再認識させられました。

本作では役者がずっと舞台上に居て、それは芝居の進行を見守り、時には物語の登場人物を演じる、という演出だったのですが、そうしてみんなのシーンを見ていると、気持ちをぐっと摑まれる時が何度も訪れました。
作者の長田育恵さんと演出家の前嶋ののさんは、演技力とか技術とかそういうものを超えた、それぞれの人間としての魅力を舞台に乗せたいと考えていて、その狙いはうまくいったのではないかと、少なくとも間近で見ていた僕はそう思います。

参加できて良かったと心から思える作品を、観てくれたお客さんもまた楽しんで頂けたなら、これほどうれしいことはありません。

応援してくださった皆様、ありがとうございました。
『線のほとりに舞う花を』の公式ブログもぜひチェックしてみてくださいね。神保もいくつかの記事を書いています。