風邪をひいているなどして体調が悪くて、でもずっと寝てるのにもくたびれたので、何となく撮り溜めた映画でも観てようか、なんていう経験はあるだろうか。
調子が悪いのだからどんな映画を観てもそれほど楽しめはしないだろうが、僕の場合、そういう時に観てしまう映画のチョイスが悪い。
『2001年宇宙の旅』『イージー・ライダー』『未来世紀ブラジル』などを初めて観たのは、体調を崩して家で休んでいた時だった。
調子がいいときに観ても人によっては受け付けないようなものをなんでまたそんな状態で観るのか、と今ならいえるが、その時は、それが名作と呼ばれていること以外、詳しく知らなかったのである。

おかげで、それらの作品はしばらくの間、体調の悪かった時を思い起こさせる、不可解な映画として、自分の中に存在していた。
たとえば、『イージー・ライダー』は、『タンゴ・冬の終わりに』の稽古に入る前に、予習のためDVDで繰り返し観たが、高校時代に風邪で休んでいたときのことばかり思い起こさせられた。

で、いまは元気だし、稽古が始まったら時間もそんなになくなるだろうから、まだ観ていない過去の名作映画なんかをいろいろチェックしてます。