映画『不都合な真実』は、その作品内容や温暖化の要因等には反論や異論もあるようだが、多くの人たちに警鐘を鳴らし、より多くの議論の場を生んだという点で評価すべき作品だと思う。
様々な利害関係や憶測はともあれ、地球の未来について各々が考え、やれるべきことをやるに越したことはないでしょう。

僕も省エネには自分なりに気をつけているつもりだ(前の倹約の話とも少々重なるが)。
たとえば暗くなっても、必要最小限の明かりしか点けないようにしている。
舞台をやるため暗闇に慣れているからかどうかはわからないが、家の中ならたとえ真っ暗でもけっこう何とかなる。
まあ、ごくたまに床に置いてあるものを蹴っ飛ばしたり、開いていると思ったドアに体当たりをかましたりすることもあるが。
昨日の夜も、横開きの戸が開いていると思って進んだら半開き状態だったようで、思いきりおでこをぶつけた。深夜の我が家にいい音が響いた。ちょっとだけ瘤になった。

と書いていて、そういえば以前、舞台の本番中に暗いところで扉に衝突したことを思い出した。『身毒丸』の、確か新潟公演だったと思う。
あの舞台は暗闇を効果的に使ったヴィジュアルが素晴らしく、僕も一度客席から観てみたいのだが、幕や壁のない舞台美術であるため、通常の芝居よりも舞台袖を暗くしていた。
で、楽屋廊下から舞台袖に向かうには、片方だけ開放されている両開きの扉を抜けるのだが、それが二重扉だと知らずに(或いは忘れていて)ひとつめの扉(廊下の壁同様、白色だった)を抜け、暗闇の中でふたつめの扉(こちらは黒だった)に、ばかーん! と顔面を激突させた。
目の上を少し切ってしまったのだが、血が垂れてくることはなかったし、僅かな切り傷や腫れなどまるで目立たせないようなメイクと衣裳(ぶつけた時はバレリーナの格好をしていた)だったので、問題なかった。
その後、制作さんには病院に連れて行ってもらうなど迷惑をかけた。ありがとうございました。
舞台をチェックするためその晩新潟入りした演出家にもこのことが伝わり、「馬鹿だな〜」と笑われた。
それもいまとなってはいい思い出である。

……あれ、じゃ結局、暗闇に弱いってことじゃないのか?

ところで僕は、オゾン層が再生に向かっているということをこれまで知らなかった。
オゾン層破壊について大きく取り上げられるようになったのは僕が小学生の頃からだったように思うのだが、それ以降フロンガスを規制するようになったのが功を奏し、現在は、まだまだ安心のできるレベルではないものの、少しずつ再生しているのだそうだ。
そういえばリサイクルはいまや当たり前のこととなった。
こういうことに対して安易に楽観視してはいけないが、改善していくこともあり得るのだ。ひとりひとりが意識するようになれば。