僕はけっこう節約家だ。いや、正確に言うと、いざというときお金を使えるよう、普段は出し惜しみしている。芝居を観るのはお金がかかるしね。

表で、ひとりで、昼ご飯、というときは、たいていコンビニで菓子パンを2つくらい買って、それで済ませていることが多い。
稽古場でもそうしていたら、「今日もパン?」「ホントにパンが好きなんだね」と言われ、「神保といえばパン、パンといえば神保」との評判を上げるまでに到ったが、菓子パンなのは好きだからというよりも、甘い物の方が手っ取り早くエネルギーになるから。

朝ごはん
だが、朝のシリアルは別。朝ご飯はシリアルのときが多いのだが、カルビーフルーツグラノーラに明治おいしい牛乳と決めている。
どちらも平均的なシリアルや牛乳の値段より高いものだが、この組み合わせだけはなぜか譲れない。だっておいしいんだもん。


ところで2年前から、芝居の稽古期間中に限って菓子パン生活をやめ、おにぎりを作っていくようになった。
稽古は通常約1ヶ月。毎日コンビニで昼ご飯を買うとけっこう馬鹿にならない金額になってしまうし、その間は、朝起きて昼から稽古で夜には帰る、という規則正しい生活になる。じゃあ毎朝お弁当を作っていこう、ということになったのである。
といっても、本当におにぎりだけ。なんのおかずもなし。しかも毎日。
なので、稽古が終盤に差し掛かる頃には、「さあお昼でも食べるか、って何だよ今日もおにぎりかよー!」とひとりボケツッコミを入れ始める。

おにぎりへの我慢が限界に達した頃に劇場に移り、公演が始まる。そうなると、おにぎりはおしまい。昼公演でも夜公演でも、コンビニや食料品街で何か買って食べる。
なぜ公演中にはお弁当を作らないのかというと、自分で作ったおにぎりには食欲が湧かないどころかもはや拒否反応を示すまでになっているということもあるが、それよりは気分的なものだと思う。
これからお客様の前で芝居をするのだから、手製のおにぎりとかじゃなくて、もっと景気よくいこうじゃないか! というやつだ。
まあ、それに加えて、舞台を観にいらした、いろいろな方々のお知り合いからの差し入れによって、いつにも増して充実する楽屋のケータリングを当てにしていなくもないんだけども。
ところで芝居の前の食事は、演る側のときも観る側のときも、按配が厄介だ。あまり食べてもよくないし、かといって食べないのも集中力が落ちてよくない。その日の体調や食欲も関係してくるし、難しい。たまに失敗しています。