今年もまた、『子午線の祀り』の稽古をしています。


3年目で3度目。

「平家物語の夕べ」は、平家物語の作品世界と日本語の美しさを、様々なジャンルの方々が表現するという催し。
第29回となる今回は、中村吉右衛門さんと若村麻由美さんが「入道死去」「慈心房」など平清盛に因んだ章段を生演奏と共に読まれます。

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そして『子午線の祀り』は、長い戯曲の中から特に平家物語の原文を生かした第四幕の壇ノ浦の合戦の場面を中心に抜粋された、リーディング形式で上演します。

今回の出演は、野村萬斎さん、若村麻由美さんをはじめとした10名。
群読は16年リーディング公演から共にこの作品に取り組んできたメンバーですが、これまででいちばん少人数の上演で、各人にとって初読みとなる台詞も結構あります。

考えてみたら、戯曲もメンバーも同じで、毎年役が変わっているんですよね。面白いです。

そしてなんといっても今回は、会場が、国立能楽堂。
あの、国立能楽堂。
つまり、能舞台。

国立能楽堂の能舞台でやらせて頂ける機会なぞ、現代劇の役者には到底ないわけで、なんという幸運かと思います。
と同時に、高いハードルが課せられているとも感じています。
本来は、訓練された様式性を獲得した身体のみが立つことを許される、そんな空間だと思うので。

それに、リーディングとはいえ、能舞台で、萬斎さんの演出で、まさか台本をただ読んでるだけ、なんてことにはなりませんからね。
いまやっている稽古では「万作の会」のお稽古場の能舞台を使わせて頂いてますが、そこに入れることだって貴重な体験です。

世田谷パブリックシアター公演をご覧になった方は、能舞台バージョンでの見せ方の違いも見どころかと。

そして今回は、藤舎名生さん、村治佳織さん、橘政愛さんによる素晴らしい生演奏と共にやらせて頂けるのです。

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と、事程左様に、贅沢だわ幸運だわ挑戦だわが盛りだくさんの、一日限りの舞台なわけです。

そして、実はすでにチケットが、完売しております。
ありがとうございます。
観たかったのに、という皆様、申しわけありません。
ご来場される皆様、どうぞお楽しみに。
がんばります!