ちょっと待った!は通用しない 〜神保良介Blog〜

役者・神保が身のまわりのことやら自分に起こったことやら考えていることなどを書き綴った、その記録。

2017年04月

「祝祭大狂言会2017」で大阪のフェスティバルホールへ行って来ました。


『唐人相撲』、世田谷パブリックシアター公演以来2週間ぶりで最後のステージ。
いやあ、楽しかったです。

申し合せ(舞台稽古)の時には眼前に広がる巨大な客席空間を前に「こんなに広い会場でどのくらい演技のおかしさが伝播するのだろう」などと思ってましたが、見当違いも甚しい。
最初から「おお?」と驚くほどにお客様の反応が大きくて、しかもお話が進むにつれ右肩上がり。
東京でも毎回かなり盛り上がりましたが、流石、大阪のお客様はレベルがちがう!

相撲の取組みの度にドッカンドッカン笑いが起こるわ、拍手が起こるわ、声援が上がるわ。
「次はどんな取組みで楽しませてくれるのか」という期待がキャパ2700の客席から伝わってくるので、こちらだってますますエネルギッシュになる相乗効果。

こんなに大きな会場であっても、こんなにも一体感が生まれることに感動しました。
狂言ってすごい。

終演後、萬斎さんも「今までで一番よかったです」と嬉しそうに仰って下さいました。
ご来場下さった皆様、ありがとうございました‼︎ 最高のラストステージでした。


この『唐人相撲』における神保の役割を書いておきますと、唐人たちの組む人間ピラミッドの土台のひとりとして、相撲取り(野村萬斎さん)に挑んで負かされておりました。
また、相撲取りに投げ飛ばされてきた臆唐(月崎晴夫さん)をキャッチしたり、相撲取りを皇帝から引き離したり(なぜかこの時だけは相撲取りが簡単に動かされる)と、狂言師の方との接触が多めでした。

しかし何といっても極め付けは、皇帝役の野村万作さんを、唐人達が騎馬の形で担ぎ、去っていくというラスト。
重要無形文化財保持者こと人間国宝が、神保の両肩を摑まれ、神保の左右の手に足を掛けられ、神保の真上でセリフを発される、息づかい、鼓動が伝わる。
客席からはお客様の、舞台からは一門のお弟子さん方のまなざし。
そしてこちらは(というか全員そうですが)よく滑る足袋を履いているのです。
これほどまでに稀有で、畏れ多くて、おっかない騎馬体験があるでしょうか。
何事もなく無事に全公演が終わって、心底安堵したのでした。


⬇︎ 装束の下に着る胴着、万作の会の倉庫に眠っていたものをお借りしましたが、神保が使わせて頂いたのはなんと。

先の稿で今回の出演を、「狂言への短期留学」というふうに書きましたが、そのたとえで続けるならば、留学した国の受け入れ先がとてもよくして下さり、自国にはない素敵な体験をたくさんすることが出来ました。
そして、その国が自分にとって以前より身近で好きな存在となりました。

現代劇の役者として、今回この公演に参加させて頂けた幸運と感謝は、どれだけ書いても足りません。
願わくはまたいつか、お祝いごとのある時に『唐人相撲』がやれますよう。
再見 再見 一路平和 (ツァイチェン ツァイチェン イールーピンアーン)。  


⬇︎ 世田谷パブリックシアターの公演ページにて舞台写真がアップされました。素敵ですよ。
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世田谷パブリックシアター開場20周年記念公演 
『子午線の祀り』




作:木下順二
演出:野村萬斎
音楽:武満 徹
出演:
野村萬斎 成河 河原崎國太郎 今井朋彦 村田雄浩 若村麻由美
佐々木梅治 観世葉子 小嶋尚樹 星智也 月崎晴夫 金子あい 円地晶子 篠本賢一 内田潤一郎 時田光洋 松浦海之介 嵐市太郎
岩崎正寛 浦野真介 駒井健介 西原康彰 神保良介 武田桂 遠山悠介 三原玄也 森永友基 宇田川はるか 香織 田村彩絵 吉川依吹

2017年7月1日(土)〜23日(日) 世田谷パブリックシアター

チケット〈全席指定〉
●本公演 S席8800円 A席5400円 ベンチシート7000円 / 高校生以下・U24 S席4400円 A席2700円 ベンチシート3500円
●プレビュー公演(7月1日〜3日) S席7300円 A席4400円 ベンチシート6000円 / 高校生以下・U24 S席3650円 A席2200円 ベンチシート3000円

チケット一般発売 2017年5月14日(日) 10:00〜






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蜷川さんの一周忌追悼企画「蜷川幸雄シアター」、5月から6月にかけて、4作品が全国15ヶ所の映画館で一週間ずつ、限定上映されます。


神保は『間違いの喜劇』に出演しています。
11年前の舞台です。
台詞のない役でしたし、映像ではどれが神保か、判別しづらいかもしれません。
唯一の彩の国シェイクスピア・シリーズ出演作です。
『間違いの喜劇』については以前にも書きました➡︎ コチラ

お時間ありましたらぜひお近くの映画館へ。 


IMG_1549
↑ 公演プログラムより。




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「狂言『唐人相撲』/『MANSAIボレロ』」、全3ステージ終了しました!


連日満員で立見まで出る盛況ぶりでした。ありがとうございました。
でも、そりゃそうですよね、自分が出ていなかったら絶対客で観に行ったと思いますもん。
賑やかに華やかに、世田谷パブリックシアター開場20周年をお祝いした三日間でした。

『唐人相撲』は、お祝い事のある時に上演される曲だと聞いていましたが、本番をやってみてなるほど、と。
拍手が起きたり、手拍子をしたり、客席も一緒になって「ホーチャ!」という唐音の掛け声をあげたりと毎回盛り上がり、劇場に祝祭的な空気が生まれていました。

開演して最初に素囃子がありましたが、それがすごい迫力で舞台袖からでも圧倒されましたし、袖での演奏も間近で見られて感動しました。

『MANSAIボレロ』は、客席から観たかったなあ。
舞台稽古では客席で見学させて頂きましたが、本番の萬斎さんの気迫は楽屋のモニターからもはっきり違いがわかるほどに別ものでした。

世田谷パブリックシアター、主劇場の舞台に立ったのは今回が初めて。
観客として、2階、3階からでも舞台が観やすくて好きでしたが、演者としても客席の空気が伝わりやすく一体感があって(特に今回は張り出し舞台でしたし)、ますます大好きな劇場になりました。
20周年記念プログラムはこの先1年続くので楽しみです。


さて、『唐人相撲』はあと1回やります。
4月22日(土)に大阪のフェスティバルホールで行われる「祝祭大狂言会2017」にて、トリの曲として演じられます。
キャパが、世田谷パブリックシアターの4倍以上もあるホールで、大阪のお客様の前で、どんな『唐人相撲』になるのかな。
楽しみです。


田口恵介さん、渡部直也さんと。
唐人武官役の中でも神保の付け髭はかなり立派なので、着てる装束が写ってないや。


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なんと狂言の稽古をしています。

世田谷パブリックシアター開場20周年記念公演「狂言『唐人相撲』/『MANSAIボレロ』」の『唐人相撲』に出演するのです。


まさか、現代劇役者の自分が狂言の舞台に、畏れ多くも、野村万作さん、野村萬斎さん、「万作の会」の皆さんと一緒に立たせて頂けるとは。
こんな機会、そう滅多にあるもんじゃなし。

『唐人相撲』は、狂言の中でも最も多くの演者が登場し、自由度も高い曲。
だから自分のような者も出させて頂けるのですね。
劇場オープン20周年記念ということで、わいわいと賑やかな舞台をお目にかけられると思います。

とはいえね、能狂言は全くの素人の神保ですよ。
早い話が、すべての動き所作が初めてという、こんなトップレベルの現場に参加しちゃってすいませんごめんなさい本当にいいのですかレベルの人間なので、カマエとかスリ足とか安坐からの立ち上がり方とか、一門の皆さんに教えて頂いてます。

慣れない所作に、普段使ったことのない身体の部位が大活躍している。痛い痛い。
無駄に動かず姿勢をキープしてるからなんでしょうけど、特に背中から首筋にかけての筋肉疲労が、まあ。
狂言の舞台に上がるということは、基本的には、身じろぎしたい欲求と闘い続けることなんじゃないかとすら、現段階では感じています。
身体を、こんな風に使ったことないし、こんな機会でもなければ一生使わない。それがやれるのだから、面白い。

舞台上での演技以外でも、現代劇の現場とは違うところがそこここに見受けられて、稽古の仕方とか、用語とか、一門の師弟関係のあり方とか、見るもの聞くもの、漂う空気まで、いろんなことが新鮮です。

まさに、狂言の世界へ短期留学、またはインターンシップで来た感覚です。

こんな得難い経験ができる幸運を噛み締めつつ、初舞台の新人の心構えで(というか事実そのものなんだけど)臨みます。


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