このところ芝居を観に行くと、新作でも過去作品の上演でも、戦争が関係する作品が増えてきている気がします。
そういう傾向は以前から少しあったのですが、ここへ来てまた多くなっているような。
僕たちも2014年の終わりに『ザ・モニュメント』(コリーン・ワグナー作)という二人芝居を上演しましたが、その企画を立てたのは13年の秋頃で、当時からある気配のようなものは顕われてきていたものの、「題材とお客さんとの間に距離があって物語に乗りきれなくはならないだろうか」と少し気がかりでした。
それが1年後の上演時には、これは他人事ではないかもしれない、という予感を伴って観ていただきました。
それから更に1年経って、世の中は更に動いているようです。
いま『ザ・モニュメント』をやるとなると、逆にやや狙い過ぎな気すらします。
パリで11月13日に起きた同時多発テロは衝撃でした。
日本は土曜朝でしたが、僕はフランスの国営ニュースチャンネルFRANCE 24がネット生配信していたニュースを流しつつ、Twitterでニュースメディアやジャーナリストや識者のツイートを追っていました。
テロの起こった現場からのツイートも拡散されてタイムラインに流れてきました。
一方、テレビでは放送内容を変えて伝えなければいけないような事件がまさにいま起きているのに通常通りの番組が流れ続けていて、この国の報道(または関心度)の程度を見せつけられたようでした。
変動するいまの世界、情報は受け身で待つのではなく、アンテナを張ってこちらから獲得していかねば。
その上で何を感じ、どう考えるか、なんですかね。