ちょっと待った!は通用しない 〜神保良介Blog〜

役者・神保良介の出演情報やその他諸々。

2015年07月

いやあ、帰国して1週間経ってもいまだあの街並みが恋しくなり、ウディ・アレンの『マンハッタン』なんかを観てます。

というわけではい、前回、前々回に続きまたまたニューヨークについてです。
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ニューヨークに着いた時、初めてなのに「ああ懐かしいこの空気」と感じたんですね。
これはイギリスを旅行した時にも感じたんですが、子どもの頃オーストラリアに住んでたこともあってか、英語圏の国に共通して流れる空気、あるいは道路とか店構えとかの街のつくりがどこか心地よいのかもしれない。

滞在中、夜は観劇と決まっていたので、それ以外の時間は地下鉄、バスなど駆使してとにかくあちこち行きました。

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マンハッタン内はもちろん、
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ブルックリンや
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クイーンズに行ったり、
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ルーズベルト島やスタテン島にも足を運んだけど特にやることもなくすぐ戻ってきたり。
その割に自由の女神は遠目で見ただけで済ませてたりするんですが。

それができたのもSIMフリーのスマホがありGoogleMapが使えたからこそ。でなきゃ絶対にあれほど廻れてませんでした。
おかげで10日間でニューヨークの概要みたいなものはほぼ押さえられたかな、と思ってるんですが。
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そうして感じたのは、世界に名だたるメガシティにも関わらず、とても人間的な都市だなあ、ということでした。
で、それはこの街に不便で不合理なところが多いからじゃないかと思ったんですね。

たとえば市民の足である地下鉄ひとつとっても、ダイヤの乱れは当たり前(そもそもちゃんとしたダイヤが存在するのか?)、案内表示も極めて不親切だし、設備はオンボロ、いや、かなり古くなってます。
構内や車内のアナウンスはスピーカーの音が割れて聞き取れなかったり。
待っている電車の到着がいつになるのか、いまホームに入ってきた電車が何線で、各停か快速か、そうカンタンにはわからない(僕が旅行者だからというわけではなく)。

そうすると人々は、助け合うと言うと大げさですが、自分達で何とか情報を得ないといけなくなります。
そこで、やってきた電車の車掌さんに聞いたり(これまた構内に駅員がいないんですな)、ほかの乗客に聞いたりします。
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しかも人種のるつぼですから、あなたが尋ねる、あるいは尋ねられる相手は民族も文化も、下手したら言語も全く異なる他者なわけで。
それゆえ不快な思いをすることも少なくないでしょうし、衝突することも大いにあり得ます。
実際、街中で何かしら口論をしてる人たちというのは珍しくありません。
それでも何とか対話する努力をしないとならない。黙って待ってても結構どうにもならなかったりしますから。

僕も道を尋ねられたり、地下鉄で「これは何線か、この駅には停まるのか」など何度か聞かれました。分かってる限りは答えてあげました。あまり旅行者には見えなかったようです。

こんな具合に、たくさんの人が集う大都市でありながら不便で不合理で不確定性が多いからこそ対話を余儀なくされ、そうして機能しているのがニューヨークではないかと思ったのです。
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で、ちょっと理屈は飛びますが、そういう土壌であるがゆえに、岡田光世さんがエッセイに書いておられるように、見知らぬ人との思いがけない出会いも生まれやすい街になっているのだろうと思います(もちろん岡田さんの積極性は特別ですが)。

それに比べたら東京は、交通機関もお店もレストランもはるかに便利で効率的ですし、そのサービスはマニュアル化されているので大した問題も起きず、快適です(だからニューヨーカーが日本の電車を利用したら間違いなくWow...と嘆息するだろうと思います)。
ですが、それゆえに失いがちなものもあるなとはっきり気付きました。

そして自分は、不便さはあるけれど人間的なニューヨークの街が性に合ってるのかもしれないな、と思ったのでした。おしまい。
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ニューヨーク旅行では観劇の他にも、

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美術館、博物館に行ったり、

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7月4日の独立記念日の花火を見に行ったり、

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ハーレムにある教会の日曜ミサでゴスペルを聴いたりしました。

その中でも特筆すべきは、
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ビリー・ジョエルのコンサート@マディソンスクエアガーデン!

これまでビリー・ジョエルのコンサートは日本で4回観てますが、毎回客席のテンションの低さ、おとなしさに忸怩たるものを感じていて、よその国のライブ映像とかにある、Piano Manを会場全体で大合唱するのを羨ましく思ってたんですわ。

それが、今回ビリーの地元ニューヨーク、しかもあのMSGで観られるチャンスとあっては、これを逃すテはない! と思ったわけです。
当初は7月の中頃で旅行を計画していたんだけど、これに合わせて日程を組み直したのです(コンサートのある日にNYに到着しました)。

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ビリーもバンドも絶好調、ステージをぐるりと囲んだ会場の一体感!

期待通り、お客さんのテンションがまあ高くて、ヒット曲はすべて一緒に歌う。
うるさいんですけどって日本なら文句が出るくらいにみんなで歌い上げます。
She's Always A WomanやHonestyなどの日本なら100%静かに聴く曲まで大合唱するんだからね。

さすがにそこまで知られてないアルバム曲では合唱は起きませんでしたが、それらもすべて喜々として歌う東洋人がひとり(そう、神保のことです。だってレア曲演ってくれるのが嬉し過ぎたんだもん)。
この日のセットリストはココで見られます。


しかもこの日は、ビリーMSG65回目の公演で、エルトン・ジョンを抜いて史上最多公演数のアーティストとなった記念すべき回(敬意を表してGoodbye Yellow Brick Roadを演った!)。

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記念のペナントもらった!

いやあ最高の夜でした。
この先もほぼ月一のペースでMSGで公演が続くようですし、日本公演でしか見たことのないファンは、機会があったらぜひ体験していただきたい。
ご当地でNew York State of Mindを大合唱できる感動といったらもう。
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ニューヨークに旅行に行ってきました。
はじめてのニューヨークでした。目的は、舞台を観まくること。

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ブロードウェイ、オフブロードウェイの演劇、ミュージカル(今回オフオフにまでは手が回りませんでした)などなど、毎日何かしらの公演を観ていました。
この季節のNYの風物詩、セントラルパーク野外劇場でのシェイクスピア上演だって、朝から約4時間並んで『テンペスト』の無料チケットをゲットして観ましたよ。

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結果、11日間の滞在でこれだけの舞台を観ました!

中でも特に好きだったのが、

トニー賞主要5部門を受賞した話題のミュージカル
Fun Home

SeinfeldのLarry David作、Jason Alexander主演の喜劇
Fish in the Dark

そして話題の体験型演劇
Sleep No More
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↑ Sleep〜終演後の会場入口にて。

10年以上前のイギリス観劇の旅以来夢見てきた今回のニューヨーク観劇の旅、ようやく実現したわけですが、徹底してエンターテイメント性の高い舞台揃い。
そんなブロードウェイに対してぐっとエッジを効かせた作品性で迫るオフブロードウェイ。
そのレンジの広さ。レベルの高さ。

ミュージカルから特殊な形態の演劇公演に至るまで、オフブロードウェイも含めロングラン公演を可能にする土壌。

100年くらい前からある劇場の佇まい、クラシックな内装と、そこでかかっている最新の舞台との不思議な調和がなんとも不思議で面白く。

こういった空気に触れまくり、感動、興奮することしきりで、改めて、世界レベルの作品に触れることの大事さを実感したのでした。

明石家さんまさんが舞台を観に毎夏ニューヨークを訪れているのは有名な話ですが、僕も、毎年は不可能でも(そんなことしてたら即破産です)何年かに一度くらいはここに来なければ、と思ったのでした。

はじめてのニューヨーク、観劇のほかにもたくさんの刺激を受けてきました。
その話はまた次回に。

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