ちょっと待った!は通用しない 〜神保良介Blog〜

役者・神保が身のまわりのことやら自分に起こったことやら考えていることなどを書き綴った、その記録。

プレビュー公演から本公演へと舟出した『子午線の祀り』は5ステージを終え、順調に航海を続けています。

芝居中でのフォーメーションの変化や転換の流れにもようやく慣れてきました。
特に第四幕の壇之浦の合戦のシーンは、表も裏もまさに戦場のようですから。
慣れてきた分、精度をもっと高めてゆきます。

楽屋での空き時間に『子午線の祀り』初演以来五度の上演で主役を務められた嵐圭史さん著「知盛の声がきこえる」を読んでます。

嵐圭史さんが1990年の上演の時期に記した作品への取り組み方や戯曲の分析の本で、同じ戯曲に取り組んでいるいまだから特に面白く読んでいます。

この中で紹介されている作者・木下順二さんの発言で、
「せりふを口にする時、演技者自身がその調子を充分に楽しんでもらいたい。また、他の役のせりふも楽しく聞けるようになってほしい。そして(中略)最終的にはリアリティ溢れるせりふにかえってほしい」
というのを読んで、いろいろの段取りにも慣れてきた今にぴったりの言葉だと思い、それからは楽しめる調子ということも意識しつつ演るようになりました。

観たら(聴いたら)すぐわかると思いますが、野村萬斎さんはせりふの音にすごくこだわって演出されています(配役も、特に声質のバランスを重視されて決められています)。
群読を含め劇中の大半の台詞は萬斎さんご自身が稽古の時に一度読んで下さってるので、その時聞いた音を自分なりに再現して喋るようにしています。

ところでこの作品、言葉が難しい、という感想を少なからず耳にしますが、一言一句すべて理解できなくたって、べつにいいんじゃないかと思ってます。

能狂言や歌舞伎だって喋ってる内容が完全にわかってなくても楽しめるのとおなじことで。
古文調の言葉がわからない時でも音色を味わえば楽しめますよ。

というわけで、おかげさまで劇場は連日満員、お客様の反応も頗る良くて、張り切って舞台に立たせて頂いてます。
当日券も毎回発売していますので、ぜひ観てほしいです。
公演はあと2週間。23日まで続きます!


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『子午線の祀り』、三日間のプレビュー公演が終了しました。

3回のプレビューを通じて、世田谷パブリックシアターの空間で平家物語の壮大な世界をお客様と分かち合うということ、そして、壮絶な人間模様を遙か天の高み、宇宙の視座より俯瞰して見つめるという本作の構造を、身を以て理解できたように思います。

そして迎える本公演。
リーディング公演、稽古、プレビュー公演、それぞれから得たものを糧とし、この作品における自分の役割をしかと見据えて臨みます。

群読というスタイルが特徴的な作品で、劇的空間の拡がりの中で、強い身体性に支えられて発される言葉の強度や美しさを、同じ空気の振動を通じて直に伝えることができる、極めて演劇的な表現だと思います。
ぜひ、劇場で体感ください。



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ハードな稽古を重ねています。

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今回自分にとって鍵となっているのが、身体。
昨年のリーディング公演と違って、今度は所作など習得することがいろいろあるし、何より、しっかと舞台に立ち、言葉を発せる身体が必要。ましてや侍の役だし。

所作、動作を集中的に稽古する時間があったんですが、実演してみせて下さる野村萬斎さんの動きの、なんと綺麗で無駄のないこと!
もちろんそんなことは前から判ってましたけどね、自分で同じことを再現しようと思った時に、まあ同じことにならないこと。当たり前か。
あ、全然違う身体なんだな、と改めて思いましたよ。

なので、とにかく普段からそういう身体を意識し続けるのが手っ取り早いので、稽古場の外でもなるべく侍の姿勢でいるようにしてます。多分、ハタから見たらヘンでしょう。


そんなこんなで、稽古開始からひと月が経ち、プレビュー初日まで1週間を切った!

萬斎さんのヴィジョンを実現させる為に、日々新しいやり方を試みてコツコツと作っています。
大規模なプロデュース公演なのに座組みの一体感があって、31人の役者全員がジャンル、キャリアの枠を越えて、一丸となってこの戯曲に挑んでいる、という感じがあります。

いまは、本番を目前に控えて、座組みがワクワクドキドキハラハラしていて、正に新作の初演!
どのような『子午線の祀り』となるか。ご期待ください。

ちなみに、事前知識として、平氏が源氏に追われて都落ちしてから壇之浦の最終決戦で壊滅するまでの大まかな流れを頭に入れておいてから観劇される方が、すんなりお話に入れると思います。


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